【成功事例紹介】外国人労働者の受け入れで企業はどう変わる?メリット・デメリットとは?
外国人労働者の受け入れを検討しているものの、まだ外国人材を雇用したことがないという企業は多いのではないでしょうか。人手不足の解消に役立つことは間違いないと思いつつ、外国人採用に踏み切れずにいる理由のひとつには、「外国人雇用のメリットがわからない」ということもあるかもしれません。
また、外国人雇用という選択肢が、自社にとってベストであるかどうかに疑問を抱いているという企業もあるかもしれません。そこで今回は、外国人労働者の受け入れで成功した事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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外国人労働者受け入れの現状
厚生労働省が公表している「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、2021年10月末時点での日本における外国人労働者数は1,727,221人です。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で20年10月末時点からは横這いとなっていますが、企業に外国人労働者数の届け出が義務化されて以降、最も多い人数となっています。
1,727,221人人の外国人労働者を在留資格別に見てみると、もっとも多いのが「身分に基づく在留資格」の580,328人で全体の33.6%、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が359,520人で全体の22.8%を占めています。以降は、「技能実習」の351,788人、「資格外活動」は334,603人です。
2020年と比較して、「専門的・技術的分野の在留資格」が割合を増やし、「技能実習」「資格外活動」が割合を減らしています。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で新規入国ができなかったため、「技能実習」などの新規入国でしか資格を得ることができない在留資格の割合が減ったなか、「専門的・技術的分野の在留資格」などは、国内在住者などが資格得ることができ、割合と増やしたと予想されます。
外国人労働者数の推移
冒頭で述べた通り、日本における外国人労働者数は2021年10月末時点で過去最高数を記録しています。しかも、東日本大震災が起きた翌年の2012年に約4,000人減少した以外、基本的には2008年以降右肩上がりで伸び続けています。
また、「専門的・技術的分野の在留資格」「技能実習」「資格外活動」「身分に基づく在留資格」と4つの在留資格の外国人労働者数も、前年と比べて減少した年がほとんどありません。つまり、多くの企業が人手不足解消のために外国人を雇用し始めているということです。
コロナ禍に特定技能外国人の受け入れが急増
続いては、新型コロナウイルスが世界を席巻する前の2019年と、コロナ禍となった後の2022年を比較してみましょう。
この2年間でもっとも差が開いているのは、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」などが該当する「専門的・技術的分野の在留資格」を有した外国人労働者数です。2019年の約329,000人と比べて、2022年は約480,000人と、約151,000人も増加しています。
なかでも急増しているのがベトナム人材です。
これは、日本とベトナム間において、2019年7月1日に「特定技能を有する外国人に係る制度の適正な運用のための基本的枠組みに関する協力覚書」が交わされたためです。その結果、雇用が促進され、2019年には401,326人だった日本就労中のベトナム人材数が、2022年には462,384人にまで増加しています。特定技能外国人においても、ベトナム人材が大きく数を増やしています。この数字は、日本における外国人労働者数第1位となっています。
マイナビグローバルが、日本での就職を希望する国内在住の外国人に対して行ったアンケートによると、9割が「在留資格の期限が切れた後も日本で働きたい」と回答しています。
また、現在の在留資格別に見てみると、「特定技能で働く意思がある」と回答したのは技能実習が96.7%と一番高く、次いで特定活動、留学が高い結果となりました。技能実習から在留資格を移行して就業したいという意欲は高く、今後もしばらくはこの傾向が続くとみられます。
【調査概要】
■調査対象:日本に在留する外国人 ■調査期間:2022年8月7日~10月13日
■調査方法:提携する日本語学校・専門学校等の留学生や日本での就職を希望するFacebookグループ・コミュニティーでのWEB入力フォームによるアンケート、留学生向け就職イベントでの紙によるアンケート。日本語・ベトナム語・ネパール語・中国語・ミャンマー語から回答者が入力フォームを選択して回答。
■有効回答数:372件
▶調査結果の詳細資料はこちらから無料でダウンロードできます!
インタビューから見る、外国人労働者受け入れのメリット
外国人労働者の受け入れのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
◆ 外国人労働者への支援に取り組むことで現場の日本人社員の働き方が変わる
◆ 訪日外国人や海外拠点への言語対応が可能になる
実際に外国人材を雇っている農家や介護施設からどんな声が上がっているかは、下記のインタビュー記事からご確認いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。
▶関連記事: インタビュー|外国人採用サポネット
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外国人労働者受け入れにはデメリットもある
外国人労働者の受け入れにはデメリットもあります。ひとつは、採用時の手続きやルールに関して覚えなければいけないことがあることです。
また、文化や習慣に違いがあるため、お互いに理解しておかなければトラブルに発展する可能性もあります。しっかりとコミュニケーションをとることで、お互いに理解を深めることがより大切になってくるでしょう。
外国人労働者受け入れ成功事例
続いては、外国人労働者受け入れに関する成功事例を紹介していきます。
WEBで面接を完結させ、全国から人材を集客!採用に成功した事例(社名非公開)
地方観光地の飲食店で、2名の日本人社員で店舗を運営、オールシーズン人手が必要な状況でした。外食分野で受け入れが可能な特定技能外国人の採用を検討していましたが、地方は都心に比べ応募がなかなか集まりません。そこで、面接をWEBに切り替え、全国から多くの応募を集めることに成功しました。
また、外食業ということでスキル面より人柄重視の採用を行い、更に採用対象者の幅を拡大。1名が入社をしました。その方の働きが非常に優秀で活躍されたことから、現在は追加で3名の入社を進めているといいます。
外食分野における外国人採用成功事例の続きは、以下からご覧ください。更に多くの事例が無料でご覧いただけます。
留学生の活躍で町工場から世界企業への大規模展開に成功した事例「本多機工株式会社」
産業用特殊ポンプの設計・製造・販売をおこなう「本多機工株式会社」は、2008年にグローバル展開のためにチュニジア人を採用したことを皮切りに、延べ14人の外国人材を採用しています。その結果、海外ユーザーに現地語で対応することが可能となり、アフターフォローまできめ細かくおこなってくれると高く評価されることになりました。
さらに、海外の新規顧客獲得や仲介業者・中間コストの削減にも成功して、現在では海外売上比率が6割にまで増加しています。
▶参考:経済産業省貿易経済協力局「高度外国人材活躍企業50社」|PDF
いち早く特定技能外国人を採用、自社支援で人材定着に成功した事例「株式会社ベネッセスタイルケア」
介護や保育・学童などのそれぞれの分野で人に寄りそった事業を展開している「株式会社ベネッセスタイルケア」は、介護分野における深刻な人材不足に備え、2019年の特定技能制度の創設直後から特定技能外国人の採用をスタートしました。
特定技能のメリットは、EPAなどに比べて活用しやすく、自由度が高いことから研修スケジュール・内容を自社で決定で切ることだと言います。支援は外部委託せずに自社でとり行い、自社が介護において重要視する部分をきちんと教育、業務への姿勢なども正しく伝えられるそうです。
そのようにして密な関係性を築きながら人材を育成した結果、現在は24名(2022年1月時点)がベネッセスタイルケアで活躍しています。
マイナビグローバルでは、介護分野の特定技能外国人をご紹介しています。詳しくはこちらから
繁忙期でも細部に手が行き届くようになり売上増加に成功した事例「有限会社高儀農場」
フルーツトマトやイチゴ、米などを育てている「有限会社高儀農場」は、日本で働くことによってより高い農業技術を身につけたいと希望している技能実習修了生を雇用しました。その結果、作物の手入れや出荷の段取りに関して徹底できなかった部分を補完することに成功しています。
しかも、労働力が安定していることから、中長期の計画を立てられることも大きなメリットだったといいます。
▶参考:一般社団法人全国農業会議所「農業分野における特定技能外国人受入れの優良事例集」|PDF
マイナビグローバルの特定技能人材紹介サービスの資料請求・採用の無料相談はこちらから。農業分野でのご紹介も可能です!
外国人労働者にとっての働きやすさを追求した結果、ダイバーシティ推進に成功した事例「カシオ計算機株式会社」
電子機器の製造販売を手掛けている「カシオ計算機株式会社」は、日本語能力向上のためにビジネス日本語能力テストの受験料を補助するなど、外国人労働者がストレスを感じず気持ちよく働ける環境づくりに力を入れ続けています。その結果、外国人労働者と日本人社員、外国人労働者とお客さまとのコミュニケーションが活性化され、外国人労働者のみならず誰もが気持ちよく働ける環境づくりが進みました。
また、ダイバーシティが推進されたことで、自社に関わる誰もがお互いの価値観を尊重できるようになってきたといいます。
▶参考:厚生労働省「外国人の活用好事例集~外国人と上手く協働していくために~」|PDF
ステップアップして高度外国人材の受け入れ実現に成功した事例「フルヤ工業株式会社」
あらゆる業種のプラスチック製品をあつかうフルヤ工業株式会社は、18年にわたってベトナム人材を受け入れてきています。そのなかでも特筆すべきは、2017年に、国内で確保できなかった金型の技術者をベトナムから日本に呼び寄せたことです。
受け入れ当時は、企画や設計を顧客に提案できるレベルにはなかったものの、金型の知識や機械の操作には長けていたため、家族も一緒に呼び寄せてスキル磨きに勤しんでもらった結果、現在では、同社の企画や開発に欠かすことができない技術者へと成長しているといいます。
▶参考:経済産業省|中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」
まずは、法律や手続きのルールをきちんと守って採用しましょう
外国人材の受け入れ成功事例を知ると、今すぐにでも自社でも受け入れを進めたいと思うかもしれません。しかし、受け入れにあたっては、法律や手続きのルールをきちんと把握することがとても大切です。
不法就労であることを見抜けなかったり、説明不足であったがために外国人労働者との間でトラブルが起きてしまったりすることもあります。そのため、まずは外国人雇用の制度や法律をしっかり確認することがとても大切です。
正しい手続きや採用方法について、また、どんな在留資格で受け入れることが自社に向いているのかについて詳しく知りたいなら、ぜひマイナビグローバルにご相談ください。外国人雇用に関しての疑問やお悩みにもお答えしますので、お気軽にお問い合わせください。
マイナビグローバルの人材紹介サービスの資料請求・採用の無料相談はこちらから
まとめ
不明な点、あやふやな点をなくしたうえで雇用することは、外国人材雇用のメリットを最大限引き出すことにもつながります。
今回紹介した成功事例をお手本や目標にするのではなく、過去の成功事例を“超える”ことを目指して、外国人材雇用における新たな礎を築いてみてはいかがでしょうか。